熊本大学と、国内トップ大学との連携が続いている。東京大学は、他大学の中に初めて分室を置いた。注目を集める理由は半導体だ。
熊本大学内に「東京大学工学系研究科分室」ができたのは2023年夏。狙いは、熊本県内に集まる半導体関連企業との協力にある。
熊本市の隣、菊陽町で24年に半導体受託生産の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)の工場が動き始めた。周りに関連企業が集まるほか、熊本大の大学院には今年度、「半導体・情報数理専攻」ができた。研究者が集まっている。
東大の分室には、大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻の笠間敏博特任准教授が常駐する。半導体技術をいかし、何でも貫通する素粒子を使って内部観測するミュオン測位システムと次世代型医療機器の研究開発をしている。
熊本大側に技術支援もする。半導体開発に欠かせない、空気中の汚染物質を制御した「クリーンルーム」の管理ノウハウなどだ。
分室に東大生はいない。東京…